まんが好きだけど、小説も好き♥
そんなりぼんっ子のための新企画がスタートしたよ!
りぼんっ子だけで紡ぐオリジナルストーリー!
1
りぼん10月号
(2019年)掲載
君谷 咲花
「頭が痛い!」そう叫んで、目を開けてベッドから体を起こした。
そのとき、近くに立つきれいな顔の男の人と目が合った。私はびっくりして部屋を見回す。窓の外から女の人がこっちを見ている。
「あの人は誰?」
「からかうなよ。君だろ」
男の人はそう言って笑った後、真面目な顔になって、ここは超能力を持つ多くの児童や生徒が住む学園の保健室で、私を17歳だと言ってきた。
「嘘だ。英は、7歳だよ」
私は記憶を失っていた。
2
りぼん12月号
(2019年)掲載
ライム
そして男の人が言った。
「君は17歳なんだ。信じてくれ」と。私はどうしてもその意味が分からない。
「どうしてなの? どうして?」とさけぶくらい大声でどなった。
3
りぼん2月号
(2020年)掲載
ポルティ
「分かったよ。すべて説明する」
男の人はそう言い、椅子に腰かけた。深く深呼吸し、しゃべり始めた。
「オレはお前の恋人。ルカ。それで、お──」
ドン!
「もう行かないと! ここから動くな」
そう言い、去っていった。
驚きで「待って」その一言が出なかった。
4
りぼん4月号
(2020年)掲載
エリンコ
私は一人、保健室に取り残され、呆然としていた。
私は、自分のほっぺをつねったり、ベッドに足をぶつけたりという、ありがちなことをした。
(痛い…。本当に夢じゃ、ない、のかな…。)
そう思っていると、急に耳がキィィンと鳴った。それはとても不快な音だった。
(何? 何なの⁉)
そう思っていると、
(…い、英…⁉ そこにいるの⁉)
少女のような声が耳から直接伝わってきた。
5
りぼん6月号
(2020年)掲載
アリスと黒兎
(英、英! 私は雪だよ!)
「雪⁉」
雪は私の大親友だった。
「雪、雪、どこにいるの? 教えてよ! 雪、ゆっちゃん!」
私はさっきよりも大きな声を出した。
(私を探しに来て。おねがい…)
「えっ、ゆっちゃんこそ探しに来てよ!」
(無理っ、英こそ探しに来て…)
(無理だから無理っ…)
ゆっちゃんの声がだんだん小さくなっている。
【私が助けなきゃ!】
そう思い、私は保健室を飛び出した。
6
りぼん8月号
(2020年)掲載
ナイン
そこには箒に乗っている人、透明人間、しゃべる動物など、まるで物語の中だった。
とりあえず雪を探そうと思い、走り続けた。
しかし、ずっと走っても同じ道を繰り返しているような気がした。
ザッ!
周りの人が礼をしている。
「お前はだれだ?」
そう私に言ってきたのは、ここの校長だった。
7
りぼん10月号
(2020年)掲載
桜宵
記憶はないのに、校長だということはわかる。
「私は、英」
目をまっすぐ見て、告げる。すると校長は驚いた様子で、隣に立つ女の人に話しかけた。
「おい、どうしてもう目覚めてるんだ。20歳までは目が覚めないんじゃなかったのか?」
小さい声なのに、なぜか聞こえる。不思議な現象を疑問に思いながら、私は背中を向けて駆け出した。
ここにいてはいけない。そんな気がする。
「雪…ルカ…どこにいるの…!?」
8
りぼん12月号
(2020年)掲載
あいコ
「雪…ルカ…どこにいるの…!?」
ためイキまじりにつぶやいたその言葉は、まどから吹き込んでくる風とともに消えていく。
怖い。とても怖い。だけど、雪を助けなくちゃ命があぶないかもしれないから。
私は逃げない。
「絶対助けるから! 待ってて…」
私は走る足を止めて息を整える。
そしてまた、出口へと足を動かす。
りぼん12月号で『朝読BOOKナビ』はおしまい!
たくさんハガキを送ってくれてありがとう♪
こちらは集英社・りぼん編集部のホームページです。無断転載、掲載することを固く禁じます。
ホームページ上のイラスト、写真、文章等の著作権は(株)集英社に帰属します。
二次使用、商品使用などは厳禁です。